マコモダケ、収穫せずに放っておくとどうなるか!?
9月中旬から10月初旬にかけて、毎日収穫に明け暮れたマコモダケ。
なんでこんなにいっぺんに上がってくるんだヨー!?と収穫中はその驚異的なマコモの成長スピードに梱包、発送の手間も加わり、他のいっさいの農作業ができなくなるという想定外の事態に陥りましたが(笑)、終わってみればマコモは食べ放題、すげー美味しかったし、葉っぱはお茶や注連縄になるし、おかげで元気に過ごせたし、みんなにも喜んでもらえたし、お金にもなったし、すごいよかったなって思います。
さて、そのマコモダケですが、気になっていたことがあります。それはマコモダケは最後どうなるんだろう?ってこと。
生き物は子孫をのこしてなんぼ。きっとマコモダケも放っておけばタネがついたりそれ自身が来年の株のもとになるんだろうなーって漠然と思っておりました。
で、観察を続けていたところ…
上の写真が末期直前の図です。鳥の足みたいに有機的なウネウネした造形になってゆき、
このあとどうなるかというと…
マコモダケ、爆発!!?




タネを残さず枯れていく。。。
生き物としてどうなん?って思うのですが、実はもともとはタネをつけていたのですが、マコモは黒穂菌という菌が寄生しやすく、寄生すると種子にまわるはずの栄養が茎の根元を太らせるようになって、そこがマコモダケになる、ということらしいです。なので黒穂菌のせいで種子がつけられなくなってしまったかわいそうなヤツだったのです。
菌が寄生したらヤバいんじゃね?って不安に思うかもしれませんが、マコモダケは食べても何も問題ありません。
実は昔、お歯黒や眉墨、漆器の顔料をこのマコモに寄生した黒穂菌から採取していたんですって。

収穫せずに放っておくと上の写真のように黒穂菌が成熟して胞子を出し始めて黒くなってきます。この状態でも食べれますが、採り遅れなので食味は落ちますね。パサパサ感が強くなってきます。
実はマコモにはちゃんと種子をつける「ワイルドライス」という種類がちゃんと存在します。日本に昔から生育してきたのはワイルドライスの方で、わりと全国各地に自生していたそうですが、開発などで減ってゆき今ではほとんど見かけません。
マコモダケとして収穫できるものは中国から伝わってきたようで、食用として現在日本各地で栽培されるようになりました。
じゃあ、このマコモダケはどうやって子孫を残すんだ?って話なんですが、放っておけば増えていきますw
実は地下茎を伸ばします。で、あっちこっちに増えてゆきます。放っておいたら一面マコモだらけになります。彼らはちゃんと生き延びるすべを持っていたのですね。ただそれだと栽培には不向きなので、我々農家は株分けで増やします。
春先に株を掘り上げて株分けしてプールで芽出ししてそれを田んぼに植えて栽培します。
来年もマコモダケ栽培やりますよー
もちろん無施肥無農薬です。
来年度、もしかしたらマコモ栽培体験をやるかもしれません。
マコモの田植え、収穫を体験したい人いるかな?